日本の夏。

カナダの夏は、静かだ。
ちょうど学年の切り替わりの時期ということもあって(6月に日本で言うところの年度が終わる)、学校には人の姿はまばらだ。
もともと日本ほど人がいないということもある。


しかしなにより、日本の夏に欠かせない存在がカナダにはいない。
それはセミだ。
朝から鳴き続ける彼らの存在は、僕ら日本人にはきわめて当たり前だけれども、少なくとも僕がいた街にはセミの鳴き声は聴こえなかった。


今は、夕暮れ。
外ではヒグラシが鳴いている。
カナダの夏は過ごしやすいけれども、日本の夏も捨て難い。

夏