「関係の絶対性」

日本FEBC原理主義を乗り越えて』(晴佐久昌英神父、『あなたに話したい』)

「あらゆる出会いにおいて、すでに私の右の頬は打たれている。」
晴佐久神父


「中東問題」は、「中東の問題」なのではない。
それは、テロリズムの恐怖にどこかで常にさらされている各国の問題と課題を共通するという点で、グローバルな問題である。
と、同時に「関係の絶対性」(見田宗介吉本隆明)を容易に越えることの出来ない私たちじしんの問題である。


原理主義というニヒリズムの亜種を生み出してしまう社会構造。
そして、濃淡はともあれその「原理主義」を抱えている私たち。


それを越えるものとは何か。
あまりに単純に、そしてあまりに陳腐に響くのかもしれないけれど、それはきっと「愛」ということなのだ。
「正義」ではなく、「愛」ということ。
「力」ではなく、「愛」ということ。
僕達は、この「愛」という言葉が陳腐であると言い切れるほどに、この言葉を知っているだろうか。


社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書)

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